2017年2月21日火曜日

フィアット・パンダ(MC)・213万円 やっぱり輸入車買うなら本国生産!!

  フィアットといえばAセグのFIAT500が日本でもよく知られていますが、同じシャシーやユニットを使ってホンダ・フィットみたいにストイックに実用に振ったボデーを載せたクルマが「パンダ」です。1979年のデビューからかれこれ40年近くが経過していますが、なんとまだ3代目です。2004年にはフィットもまだ獲得したことがない世界COTYに輝いています(2代目)。

  ここ数年の日産(マーチ)や三菱(ミラージュ)の動きを見ていると、小型車の製造は人件費削減が見込める途上国に作るのがセオリー・・・だったはずですが、パソコンやテレビとは違って命の危険があるクルマの製造はそんな単純な話じゃないようです。経営コンサルタントの机上の議論に従って展開された三菱の海外生産も、なんら利益に貢献することはなく、スキャンダル1発であっさりと東証から「退場」という惨憺たる結果になりました。

  もちろん三菱が築いて来た栄光は素晴らしいです。三菱の技術供与が無ければヒュンダイ、PSA、BMW、メルセデスから中国、マレーシアなどのほぼ全てのメーカーの経営は詰んでいた可能性が高いです。フィアットも21世紀に入ってから三菱のライセンスエンジン(1.4Lマルチエアほか)を使うことで厳しい経営状況で開発費も軽減してきました。

  「Bセグ以下は日本製造ではペイしない」とか2010年頃には盛んに言われてました。中国のWTO加盟によって中国ビジネスが加速することを予測した上での妥当な見立てではあったのですが、頑なに中国生産車の導入に難色を示す日本市場・・・というよりは中国国内の需要の伸びに生産容量が追いつかないという事態に。その後のバブル気味な過剰投資の結果、日本やアメリカを軽く追い越し中国の生産台数は年間2500万台に迫っています(日本900万台、アメリカ1300万台)。

  そろそろ中国車が日本に入ってくる頃合いではあるんですけどね・・・。トヨタのエスティマやアルファードのエンジン(2.4L直4)や、某ドイツプレミアムメーカーの内装などはすでに中国工場を経由するようになっていますが、車体組み立ての中国車は・・・どうやら第一号の候補はメルセデスEクラスかキャデラックCTS/ATSのいずれかになりそうです。福野礼一郎さんの連載によると日本向け新型Eクラスの生産工場はシュツットガルト近郊のジンデルフィンゲンと北京のダイムラー工場とあります・・・おーこれはスクープか!?Eクラスは先代のロングホイールベースの開発拠点がすでに中国に移っているようなので北京工場が主力を担うようです。

  ドイツ車好きのみなさんは真っ赤な顔して否定したがりますが、昨今のドイツ車はそれこそワールドワイド過ぎて・・・どこで開発されてどこで生産されたかが、同一ブランドでもバラバラというケースが多いです。VWゴルフの開発はスペインの子会社セアトが主導していてドイツ車というよりスペイン車といった方がいいのかも(生産もスペイン語圏のメキシコだし)? Aクラスはポーランドから、X3はオーストリアから、GLCクラスはインドネシアから、X5はサウスカロライナ(アメリカ)から・・・。メルセデスでドイツ製が欲しかったらAMGしか無い!?(現行SLはドイツのみらしい)。Sクラスでもメキシコやベトナムで作ってるってさ・・・。

  しかし!!フィアットはドイツ車よりももっとブッ飛んでいます!!残念ながら日本に入ってくるのは全てイタリア製なんですけども、フィアット・パンダはなんと北朝鮮でもライセンス生産が行われている!!これには途上国生産が大好きなメルセデスもビックリですね・・・。さすがはかつて経営危機の時にリビアの独裁者カダフィに資金援助をしてもらったフィアット!!とんでもないコネクションを持ってます。核ミサイルだってライセンスで丁寧に作ってしまう北朝鮮製ですから、本国イタリア製よりも品質が良かったりするのかな!?(イタリア製より北朝鮮製の方が信頼できる!?)

  フィアットというメーカーは傘下にフェラーリ、マセラティ、アルファロメオ、ランチア、アバルトといったイタリアの小国家的ブランドをまとめ上げて「総代理店」のような役割を果たしています。とりあえず世界のクルマ好きの味方です。さらに近年ではアメリカビッグ3の一角であるクライスラーを傘下に収め巨大グループを形成しています。日本のフィアットのディーラーに行けば、アルファロメオからジープまで様々なブランドの正規輸入モデルが買えます。

  クライスラーといえば伝説のカーガイとして知られるリー=アイアコッカ(存命)が指揮を採っていたころにはランボルギーニを傘下に収め、リーが退任した後にはメルセデスとの合併劇もありました。現行のクライスラー300は日本にも正規導入されていますが、旧式のメルセデスシャシーをベースにしていてとても具合がいい!!んだとか・・・。なんか楽しい自動車グループですね。日本車の至宝ロードスターの存続にもフィアットの助力がありました。

  日本の都市部の住人にとっては「不要なぜいたく品」に過ぎない自動車にカネを使うのはあまり乗り気にならないです。それがどこの国で作られているかわからないブランドのクルマだったりすると尚更です。もうこれ以上に速くて、静かで、快適で・・・といった20世紀的な価値観を追求するのもちょっと疲れたな〜・・・。熊本県で地震が起こると、東京銀座の熊本県のアンテナショップは大盛況だったそうですが、これからは「エシカル消費」の時代なのかなー。応援したいブランドのクルマで気に入ったのがあれば買ってみようかな・・・。フィアット、スズキ、マツダ、スバル、ジャガーランドローバー・・・あとはやっぱりポルシェかな。

  



   ↓クルマの使い方・表現の仕方を完全に間違えている野蛮なオッサン達による
  残念なフィアット・パンダの評価も是非見てやってください。
 


2017年2月12日日曜日

プジョー3008 「幸せなカーライフが送れるクルマ!!」

  2016年にいよいよ日本市場に大挙して本国フランス市場で圧倒的なシェア(70%以上)を誇るディーゼルを投入してきたPSAグループ。ディーゼルのシェアがドイツ(55%)よりもはるかに高いということもあり、いろいろな意味でお騒がせなドイツメーカーとは違ってマツダに迫る静音設計と評判ですが、売れ行きはまだまだです。そもそもディーゼルに使われる軽油って凝固点がマイナス17度くらいなので、厳寒の地ドイツではあまり現実的な選択肢ではないとか(もちろん最新のディーゼル車はタンクに保温機能がありますから北海道でも使えるみたいです)。やはりディーゼルは温暖なイメージのあるフランスや広島のエンジン!!

  日本市場のPSAですが、プジョー、シトロエン、DSの3ブランド合わせてもせいぜい月販1000台というなかなか苦しい状況です(プジョーは善戦!?)。そんな厳しい局面を一気に打開してくれそうなモデルが、2016年3月のジュネーブ・モーターショーでデビューした新型プジョー3008でしょうか。先代はちょっと恍けたデザインでベース車(308)と見分けがつかなかったですけども、新型プラットフォーム投入の308をベースにした新型は徹底的に差別化を図っていて、単なるクロスオーバーモデルの枠を越えた「別の車種」が誕生しました。

  PSAが2013年に導入した新型モジュラープラットフォームの「EMP2」ですが、中型車の売れ行きが伸び悩むグループの事情もあってか、現状ではなかなか思うように採用車種が増えていません。後発のトヨタ「TNGA」は初採用の新型プリウスが発売されてまだ1年足らずですが、第2弾のC-HRに続いて近々北米でベストセラーになっているカムリにも投入するようです。一方で北米のようなホットで儲かる市場に進出していないプジョーでは全く方針が違うようで、フラッグシップであるプジョー508は旧型シャシーのまま放置されています。

  ただし「北米に進出していないメーカー」というのはそれだけでも日本のユーザーにとっては潜在的にかなり価値があるとも言えるかもしれません。例えばマツダは北米での販売比率は20%程度ですが、利益の50%以上を北米向けのCX9とCX5で稼いでいると言われています。利益率の高いクルマがまとまった台数で売れる唯一の市場=アメリカなんですけども、要は日本の道路を走るには無理がある車幅2m級の大型SUVの開発に経営資源の多くを奪われているのが、日本メーカー(スズキ以外)とドイツメーカーの現状です。マツダもスバルも日産もBMWもアウディもポルシェもボルボも「上質な走り」とか白々しく謳ってますが、頭の中は次の北米向け大型SUVでいっぱいなはずです(そこでしか生き残れない!!)。

  その弊害として上記の7ブランドから出される最近の日本向けモデルはいちいち疑問です。例えば搭載されるエンジンはどれもパッとしない。超ロングストロークで回らないトルク重視のカスみたいな直4ばかり。水平対抗のスバルまでEJとFA以外はロングストロークになる始末。完全にスポーティを意識したマツダのロードスター用1.5Lとポルシェの直4水平4のターボ以外はまともに上までスムーズに回らない・・・。音だけ仰々しいけど前に進まないモデル増えたな〜。

  その一方で乗る度に割と好印象なのが「非北米チーム」のスズキやPSAです。こっちはこっちで中国向けの小排気量ターボ化がエグいという意見もありますが、スズキは独自開発のマイルドHV、PSAは丁寧に尿素処理(SCR)を搭載したディーゼルがブランド全体に広がったことでそんなに気にならなくなりました。とりあえずマインドが「アメリカ・ファースト」になっていない両ブランドですから、小型車へもしっかりと愛情を注いでいる痕が随所に見られます(詳細はまた別の機会に)。車種も意外に豊富でスズキにはジムニーという「お宝」がありますし、同じくラダーフレームの本格SUVである旧型エスクードの販売も継続しています(これは元々アメリカ向けに開発されたが・・・)。

  本格SUVのスズキに対して、「なんちゃってSUV」を今回はアメリカマインドを排除して作り上げて来た(!?)のがプジョー3008です。このクラスの基準車(ベンチマーク)といえる日産エクストレイルは、現行モデルからほぼ同じ仕様&デザインのまま北米・欧州・中国・日本で同時発売されていますが、そんなエクストレイルを軽く2世代は古く感じさせるような斬新なデザインが3008の魅力です。特にフランス車らしくリアデザインに徹底して拘っているのがすばらしい(下の動画を参照してください!!)。動画のとなりに映るドイツ車VWの兄弟車を売るセアトは、旧型アウディのノックダウン販売(旧型プレミアムを大衆車価格で販売)で成長したブランドですけども、旧型アウディの面影が残るエクステリアと比べても断然に秀逸です(ドイツ車はどれもリアがダサい)。

  「リアがカッコいいフランス車・イタリア車」を所有するのは、幸せなカーライフを送るコツの一つだと思います。シトロエンC5、プジョー・クーペ407、アルファロメオ156/159/166が、今もなお日本車やドイツ車よりも圧倒的に優れているのが芸術的な「リアデザイン」です。日本車セダンで「ビジュアル系」と言われている現行アテンザ(GJ系)なんて、3世代のアテンザの中でリアデザインがもっともブサイクでツマラナイわけで、カッコいいと言っているヤツは一体何処を見てんだ!!って話です。

  マツダもフラッグシップに関してはもっと意識して作ってほしいですね。GJアテンザは整形して出直した方がいい!!(先代まではカッコ良かったのに!!) 新型CX5もリアがぶっさいくですよー!!!そういえばGJアテンザが2012年に発売された直後には、韓国のカーメディアに「リアは(ヒュンダイ)ソナタのパクリ!!」とまで言われてましたね・・・。それでもアウディA4/A6やBMW3er/5er/7erに比べればまだマシなレベルですけどね。いくらイタリア人の優秀なデザイナーを連れてきたところで、まともなデザインにならないドイツブランドみたいなマインドはさっさと捨てた方がいいと思うんですが・・・。

  一応プジョーには5008というフラッグシップのSUVがあるんですけども、北米から撤退している現状では全く売れる見込みが無いので、次期5008の開発は凍結されている模様で、今後は3008がプジョーのフラッグシップSUVを務めていく!!という意味での気合いの入ったエクステリアなんでしょうね。ちょっと惜しいなーと思ったのが、先代の3008に採用されていた上下分割型のリアゲートが、新型では廃止になったことです。レンジローバーの廉価モデルでは定番の装備で、SUVを選ぶ際には一つポイントになりそうな要素だと思うのですけど、不要と判断されてしまったようです。そんな3008ですが2017年2月に日本での販売を開始する予定とのことですが、ホームページでは3月まで先行見学会というスケジュールが・・・しかし導入は確実なようです。価格発表が待ち遠しいです!!


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