2014年8月28日木曜日

VWポロ 「ミニとデミオでこのクラスは盛り上がる!?」

  VWのBセグを担当する「ポロ」が新しくなったそうです。ゴルフもそうですがVWの最近のFMCは、デザインの変更点が素人にはほとんど分らないので、メディアも「フルモデルチャンジ!」といった威勢のいいコピーが使いづらいようでメディア泣かせなメーカーだなと感じます(どうやらマイナーチェンジだそうですが・・・)。VWぐらいの超グローバルメーカーになると、日本という辺境の中規模市場で「消費税増税」があって販売は逆風であることなど、全く歯牙にもかけないようです。これでは先代モデルのユーザーが最新モデルにこだわって乗り換えを検討することも減るでしょうし、VWジャパンのあの髪型に特徴がある社長にしても頭が痛いところかもしれません。

  全長4mに収まるサイズのコンパクトカーを指す「Bセグメント」は、各メーカーの創造性に満ちた技術開発によって、現在ではCセグとそれほど変わりないくらいの居住性を確保できているように感じます。あまりテキトーな事を言うべきではないですが、Bセグに対してCセグのアドバンテージとは一体どれほどのものなのか?と訊かれると、決定的なもの(説得力があるもの)は何もないようにすら感じます。サーキットで驚異的なタイムを出したいならば、Cセグの方が全般的に有利ですけどね。Cセグも十分に狭いので後席を使わないで2人乗りと割り切れば、むしろBセグの方が車両感覚が掴みやすく、軽量でハンドリングも良くそのうえ小型のエンジンでも快適に加速するといったアドバンテージがあれこれ思いつきます。

  あくまで考察の域を出ないですが、一般的にCセグよりもBセグの方が本質的に優れたクルマが多いと感じるのには一応理由があります。まず1つ目はゴルフ、シビック、ファミリアといった80年代に一世を風靡したCセグハッチバックを小型車の一つの頂点と捉えると、そのバブル期の快楽的な設計によって導かれたサイズ・車重そして100ps程度の出力が、そっくりそのまま現在のBセグに当てはまっていて、当時蓄積されたデータが十分に運用されているというのがあると思います。昨今の省エネ志向とミニバンのようなスペース志向を持った現在のCセグはベースモデルでは重さや非力さを感じますし、逆にゴルフGTIのような高性能モデルではサイズと車重がややヘビーで公道よりもサーキットを視野に入れたスタンスなので、サーキットに全く行かないユーザーには甚だ不満に感じてしまいます。

  2つ目は、Bセグを鍛えてきた小型車専門メーカーの技術力です。2000年代に入りHVやEVなどの新たなパワートレインへとトヨタや日産は舵を取りましたが、その一方で既存の小型車技術は新興市場の広がりとともに熟成を続けました、その中でVWグループ、ホンダ、スズキは力強く成長を続け、もの凄いスピードで業界再編が進む中で、いずれも世界トップ10の自動車グループへと成長しました。単体でトップ10入りしているホンダやスズキの存在はまさに「ミラクル」と言えます。さらに他のトップ10も同様でヒュンダイグループの欧州での躍進も小型車の成功(それとFTA)無くしては絶対にあり得ないことでした。また欧州での販売が激減している「フィアット=クライスラー」や「PSAグループ(プジョー、シトロエン)」が現在もベスト10に留まっていられるのも、小型車部門による踏ん張りがあるからです。逆に小型車とは無縁だったブランド(MG、サーブ、サターン、ハマーなど)は経営が行き詰まるとあっけなく廃止されました。

  トヨタ、日産、メルセデス、BMWといった高級車に定評があるメーカーばかりに目が行ってしまいますが、ブランディングに熱心なこれらのメーカーは絶えず、技術で勝負する小型車メーカー(あるいはバイクメーカー)と協調関係にありその技術を自ブランドへせっせと吸収し続けています。スズキ・ワゴンRに使われてきたコラムシフトが、最新のメルセデスの大部分で採用されたり・・・というのは冗談ですが、直4のEGRの研究などはバイクも作ってるスズキとホンダの独壇場だったりするわけです。某雑誌の記事にBMWの3気筒ターボ積んだ新型ミニが、走りを見る限りはスイフトの足元にも及ばないと書かれていましたが、スズキの1.2Lエンジンは他社を圧倒するレベルにあるのだとか。

  それにしてもBMWがダウンサイジングと効率運用の切り札として、開発した1.5L3気筒エンジンの評判が悪いようです。もちろん重量がある中型車向けに作られた2Lや1.6Lの4気筒を無理矢理Bセグに転用するよりは、キビキビと走るので理にかなっているようですが、小型車を専門に作ってきたメーカーのエンジンに比べるとお世辞にも良いと言えないです。もちろん「BMWらしさ」に尺度を置くならば、絶対的に正義なんですけど、純粋にコンパクトカーの完成度として見るならば、スイフトに大差をつけられてしまいます。まああくまでミニは「プレミアムコンパクト」であってスズキとは方向性が違うと言い張るならば、一定の評価はできるでしょうけど。BMWの考える小型車の理想を実験者が理解できていないのかもしれませんが、なんだかんだでちょっとでも豪華に大きくしようとする「新型ミニ」の方向性は今後どう受け入れられるのでしょうか?

  Cセグで満足という人には、あまりBセグの需要がわかりづらいかもしれませんが、Dセグに乗っていて「Cセグはちょっとな・・・」と不満を募らせている私と同じ考えの人にとっては、Bセグはカーライフの「ソリューション」として評価すべき点がたくさんありますし、それと同時にDセグとは別の意味でのクルマの本質を追求できるセグメントとして輝いて見えるんじゃないかと思います。コンパクトなクルマを想像する時に「オーリスよりもヴィッツ!」であったり「アクセラよりもデミオ!」と自然に感じてしまったりしませんか?Bセグにより豊かなカーライフの匂いを感じてしまうのです。それでもふと我に返って、Bセグ車一般に対しての懸念も湧いてきます、個人的には「長時間ドライブ」と「衝突安全性」の2点がとても気になります。

  たとえセカンドカーだとしても、燃費が嵩みがちなファーストカーを補完する働きを期待するならば、100~300km程度の中距離ドライブに耐えられる仕様を求めたいと思います。若い頃に乗っていたB/Cセグのカローラランクスは3時間を超えたあたりから体が痛くなることが多く、東京からだとせいぜい長野県くらいまでが楽しくドライブできる範囲でした。座席の調整幅の少なさと、フットスペースの絶対的な狭さは悩みのタネで、さらにシートの小ささややわらかさなどもあって長時間ドライブを視野に入れていない設計と言えるかもしれません。さらにひと昔前の国産コンパクトは残念ながら騒音でも体力を消耗していたように思います。扇風機が音を立てる部屋に長時間いると何となく疲れを感じますが、高速道路で唸りを上げる1.5Lエンジンを5ナンバーサイズの車内で3時間も聞かされると耳鳴りがしてなんだかぐったりした気分になったものでした。これらの複合的な「疲労」の要因をメーカーが戦略的にどれだけ取り除いてくれるかが、個人的には今後のBセグ選びのポイントかなと思います。

  VWポロは衝突安全性への評価も非常に高く、さらに静音設計や長時間運転に配慮したコクピットの設計においても高い水準にあると言われています。残念ながら長時間運転したことがないので何とも言えませんが、ある程度信頼できる情報筋からも好感触と評価されているので、少なくともカローラランクスよりは楽に運転できるだろうと思います。おそらくポロこそが、現状でのBセグの頂点であろうと思われます。また同じVWにはザ・ビートルという別のBセグモデルもあって、MQB設計であることを踏まえればどちらも同じくらいの機能性を有していると考えられます。

  さて今回のポロは1.2Lターボをデチューンし、同排気量のゴルフとは出力特性が違う90psの燃費重視のものへと変更してきました。JC08モードで22.2km/Lだそうです。さてこのポロの水準に迫るBセグと目されているのが「ミニ」と「デミオ」でしょうか。まずは既に発売されている「ミニ」ですが、先ほども述べましたが「プレミアムコンパクト」という路線を明確にするために1200kgというBセグの平均を大きく上回るヘビーな車重が特徴です。もちろん重くなった分だけ制音にも効果はあるのでしょうが、実は別の問題が指摘されていて日本仕様に全車標準装備されるのが韓国製のランフラットタイヤで、これが乗り心地と制音を台無しにするほどに酷いと言われています。とりあえず仕様変更まで待つしかなさそうです。

  もう1台の「デミオ」ですが、こちらも1.5Lガソリン車の廃止が伝えられていて、高速道路で悲鳴を上げるであろう「1.3L直4ガソリン」と一般にガソリンよりもウルサイと言われているディーゼル(1.5Lターボ)の2本立てになる模様です。これでは先代モデルからの改善はとりあえずなさそうですが、もしかしたらディーゼルモデルにはいくらか期待できるかもしれません。昨年発売されたアクセラは残念ながら静粛性のテストにおいてゴルフの前に敗北を喫したのですが、2.2Lディーゼルを積んだモデルは、100km/h走行時にゴルフの全モデルよりも静かだったというデータがありました。排気量の余裕と回転数の低さそしてディーゼルの桁外れのトルクによる恩恵なのですが、デミオのディーゼルもポロを10kg・m程度上回るトルクを持ってますので、同じような逆転現象が起こる可能性があります。

  「ポロ」と「デミオ」そして仕様変更を前提とした「ミニ」の3台、あとポロの上級モデルである「アウディA1」の4台のつば迫り合いはBセグの新たな可能性を見せてくれそうです。スイフトとフィットは内装の質感がいくらか向上して、高速道路での走行を見据えた設計のグレードが出てくれば、十分候補になりうるのですが、どうやらホンダもスズキもHVでの「非高速走行」モデルを想定してしまっているようです。そういえばどちらも欧州市場ではやや影が薄くなってきた感がありますね。経営戦略的には欧州無視は妥当な判断かもしれませんが、それでもコンパクトカーのさらなる進化と今後に期待したいと思います。


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2014年8月19日火曜日

ジャガーXE 「レクサス化しているDセグ市場をぶっ飛ばせ!」

  ほんの15年ほど前までのDセグセダンは、マークⅡ、チェイサー、スカイライン、プリメーラ・・・若者の給料でもなんとか買えるくらいの価格(200万円以下)で買えるクルマばかりだったですね。それがいつの間にやら最低価格は200万円を越え、さらには250万円を越えるようになりました。今では販売の中心が400万円を超えるプレミアムブランドに完全に移行したためか、かつてのような「走り」をメインに考えた設計は影を潜め、より「高級車」らしい装備を盛り込むことに各社がしのぎを削るようになりました。

  内外装がどんどん洗練されれば、古いクルマに乗っている人は大きく心を揺さぶられるようで、買い換えがかなり捗っていつようです。最近のDセグセダンを見ていると、どうもこの「売るためのマニュアル」通りに作られたクルマがやたらと目立ちます。比較的廉価に思われているマツダ・アテンザもその流れに乗ってしまったようで、売る気満々の「XD・Lパッケージ」が乗り出し価格では400万円を超えていて、プレミアムブランドのモデルとそれほど差が無くなっています。ユーザー側としてはもっといろいろな方向性を打ち出して、あれこれ選択肢を作って欲しいと思うのですが、「価格」も「見た目」も「乗り心地」もなんだか良さげでお互いに似たり寄ったりなものになっています。

  最近ではメルセデスの新型Cクラスが話題になっています。このクルマもトレンドによく乗っかっていて、内装が格段に向上しつつ、マイルドなパワートレーンでモード燃費を稼ぐ方針を明確に打ち出しています。燃費は欧州の道路事情で考えればトヨタの2.5LのHVに匹敵する実力があるようですが、信号地獄の日本の都市部ではどう足掻いてもHVには及ばないようです。なぜメルセデスは真っ先にHVを持ってこないのか? ちょっと余計なことを言っちゃいますが、その辺の本末転倒ぶりを考慮に入れると、とても日本COTYの最有力候補には相応しくないクルマです。

  しかしそんな注目度が高いモデルがやってくることは先刻承知のはずのトヨタが、今回は特に対抗モデルを用意しようとしないのはナゼでしょうか? もし本気で新型Cクラスをブロックするつもりならば、現在開発中と言われるセダン版の86を間に合わせることもできたでしょう。おそらくトヨタとしては「新型Cクラスは大して売れないだろう』という判断があるのだと思います。それとは別にセダン版の86では対抗するのがやや難しい「ジャンル」へと立ち位置を変えてきたメルセデスの戦略に対して有効な対策が見出せないという見方もあります。

  メルセデスが「スポーティ&プレミアム」の王道路線でCクラスを仕上げてきたならば、トヨタが意地で作ったハイクオリティのレクサスISと、スポーツカーテイスト満点に仕上げた86セダンで、Cクラスの市場を完全に締め上げることが出来たでしょう。しかしCクラスの狙いは内装をレクサスの水準まで引き上げて、さらに経済性に優れるレクサスIS300hに興味を示す人々を価格面で狙い撃ちするという奇襲戦略でした。先ほども申しましたが、燃費ではメルセデスに勝ち目はないのですが、C180はレクサスIS300hを大きく下回る価格帯であり、レクサスIS250の2.5LのNAをダウンサイジングしたような1.6Lターボを積んでいて「先進性」をうまくアピールできています。

  もちろんレクサスIS250に使われているV6NAのエンジンの方が、高回転まで気持ちよく回り頭打ち感も無く、高級車用のパワーユニットとしては望ましい点がかなり多いのですが、昨今の自動車選びにおいてそういった視点を強調する評論家は非常に少なくなっています。エンジンの「官能性」を求めるユーザーがいなくなったわけではないのですが、そういう層にコミットしていても利益が上がらないという判断でユーザーの切り捨てが行われ、「フェラーリが」「ポルシェが」と偉そうなことを書いてる評論家が、「自分を殺して」まで何の感動ももたらさないエンジンを「さすが!」なんて持ち上げているわけです。

  もうそろそろいい加減にこのトレンドも破綻していい頃かななんて思っています。レクサスが作り出した新たなプレミアムカーの基準、それに完全に呑み込まれているだけのCクラスのようなDセグ車になんだか疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。700万円出してIS350を買わなければいけないのか?いや500万円で「官能」を呼び覚ますDセグセダンがあってもいいんじゃないですか? そんなメルセデスにあっさり切り捨てられた人々の想いを汲んでくれそうなDセグセダンが「ジャガー」から発売されるようです。

  インド資本によってランドローバーともに再建が進むジャガーの最新ラインナップはどうやら賛否両論があるようですが、世界市場の趨勢を見る限りはマセラティとならんでかなりのハイアベレージでシェアを拡大しつつあります。最新のジャガーに対して批判的な意見は、「デザインに重みがなくなった」「アルミ軽量ボディで直進安定性が低い」「衝突安全性にやや疑問(ユーロNcapが低スコア)」といったものです。高級サルーンのブランドとしては致命的ともいえる欠点を抱えているのですが、それでも世界のクルマ好きはジャガーのクルマを歓迎しているとデータ上に表れています。

  逆に最新のジャガー車が評価されている点はどこか?「V6とV8のスーパーチャージャーエンジンがとても官能的」「車重を感じない人馬一体感」「若々しいデザイン」といった点です。衝突安全性の部分はさすがに看過できないですけど、ボディがXJやXFから一回り小さくなって車体剛性が上がればある程度は解消されるでしょうし、さらに小回りが利くサイズで道路を選ばずに走れるようになるならば、待望のスポーツサルーンになるのでは?という期待が高まります。ジャガーが徐々に情報をリークし始めましたが続報を待って、このブログの最大の注目車として徹底マークしたいと思います。


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2014年8月12日火曜日

マツダ・デミオ 「冷静さが必要だけど、ひょっとしたら・・・」

  マツダは個人的に一番好きなメーカーで現在もマツダ車に乗っています。このメーカーの魅力を、誤解を恐れずに一言で言うならば「大人になりきれないクルマが作れる!」ことだと思います。マツダのラインナップを過去のものから現行のものまで俯瞰すると、最もガキっぽい一般車メーカーはマツダだと断言できます。同じような系統のライパルとしてBMWやプジョーがいますがそれよりもさらに「ガキ仕様」ですね・・・。トヨタの開発者がコンセプト「タケリ」からほぼそのまま現行アテンザのデザインになったのを見て「マツダは完全に頭がオカシイ」みたいなことを言ったとか言わないとか。

  いくら大手メーカーから「変態」扱いされようとも、世界で「一番尖っている」のはとても価値があることですし、日本メーカーの誇りといえます。マツダが倒産したらもうクルマ買うの止めようかな・・・と私と同じように考える人も相当いると思います。そんな熱狂的な支持を受ける反面、新型モデルにかかる期待もハンパないものになっていて、下手なデザインで登場し「これはとてもマツダではない!」とフルボッコにされるモデルもいつかは出てくるでしょう。そんな中でCX5、アテンザ、アクセラと見事に期待に応え続けたマツダの「集中力」はやはり凄いなと思いますす、そして今回登場した新型デミオもマツダ自ら「確信のドヤ顔」を発表前から繰り出していて、某雑誌には「4打席連続ホームラン」なんて書かれてました。

  最近「復刊」を果たした「CAR STYLING」(三栄書房)の復活第一号では、表紙に堂々の「~Truth of the DEMIO Soul of Motion~新型デミオと鼓動デザイン」の太文字が躍っていていました。復刊第一号なので注目度もそこそこ高いでしょうけど、デミオ(もしくはマツダ)だけで本体価格2000円もする雑誌を売ろうという企画も大胆なもので、私のような熱狂的マツダ信者が次々と買わされていくんだろうな、なんて思いつつ買いましたよ・・・。

  最近のマツダはデザインに至る「過程」すらもブランドの一部として扱っているようで、他のメーカーでは滅多にないことですが、アニメの絵コンテのような鉛筆書段階のデザインを意図的に「放出」しています。アニメなど日本が高い国際競争力を持っている「知的産物」によるコンテンツを総称して「クール=ジャパン」と言うそうですが、マツダの戦略はこの政府主導の「日本的価値の発信」にとても良く合致しているようです。歴史的に日本政府が大っ嫌いなトヨタやホンダといった大手はそんなものに協力する気はさらさらないといったところかもしれませんが・・・。

  さて新型デミオですが、シートを始め「白」が基調になっているLパッケージ仕様の内装が公開され、クラスを超える圧倒的な質感がとても話題になっています。まだ実物に触れて見たわけではないので何とも言えないですが、とりあえず「新しいマテリアル」で作られているのは確実なようです。あまり安易なことは言えないですが、男性用スーツの素材といったら「ブリティシュ・ウール」の品質保証ワッペンタグが内側に付いたものが喜ばれたりします。しかしデザイン性はそれとは全く別物であり、いくら質感が伴っていてもデザインが完全に時代遅れのものは喜ばれません。

  現在では「質感」以上に「デザイン」が優先される時代になりつつあります。デザインを最優先に考えたときに、たとえ極細の上質なウールを使うよりも、ポリエステルなどの化学繊維の方が品質の安定感なども含めて高いレベルに立つようになってきたようです。もちろん「化繊のスーツなんて・・・」という保守的な考えのユーザーもたくさんおられるので、一気に拡大するのは難しいかもしれませんが、グッチやコムサ=メンといったやや前衛的なブランドでは徐々に導入が進んでいます。

  私も試しに3年ほど前に一着購入してみたのですが、これが予想以上に強靭でほころびも少なく、いまでも十分な光沢を放っていてとても満足しています(大幅値引で5万円ジャストくらいでゲットしました!)。今回のデミオ"Lパッケージ"の内装もどことなく、この「化繊スーツ」の良いイメージがダブります。100万円台半ばで買えるクルマなので大きな期待をせずに買ってみたら、予想以上に安定した質感で大満足の「逸品」になるかもしれません。いや・・・マツダならやってくれるはず「Lパッケージにハズレはない!」というくらいの気合で素材の選定してきているハズです。最近ではマツダの試乗車はことごとくLパケになっているようなので、ぜひデミオに乗って確かめてみたいと思います。


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2014年8月5日火曜日

メルセデスCクラス 「もはや男が乗るクルマではない!」

  「ワクワク感は皆無」です。なんでいい年したオッサンのライターがはしゃいでいるのか?ハッキリ言って良く解りません。別にプロライターをバカにするつもりもないし、メルセデスを貶めるつもりも全くないですが、カーメディアのリアクションを見ていると相当な違和感があります。メルセデスを掴まえて「質感が著しく上がった」なんて・・・配慮が無さ過ぎる文言があらゆる誌面で躍っていて読んでいるこっちが恥ずかしくなってきます(これはクルマではなく日本のメディアの問題か?)。

  メルセデスの新型Cクラス(W205)は、先代モデルから大きく進化を遂げているのは確かですが、そこにはメルセデスとしてのある種の「自己決定」があるように感じます。先代モデルとの最も大きな違いは、簡単に言うとターゲットを絞り込んでいることです。先代のCクラスもまともな皮膚感覚の常識人から見れば、「30歳以上の女性」が乗るクルマというのが相場だったのですが、メルセデスとしてはそういう「決めつけ」に対して抵抗するスタンスを少なからず持っていました。若くしてメルセデスを志す「エリート」に向けてこのクルマを届けたいという姿勢は先代モデルからは感じることができました。それでもせいぜい30歳代前半くらいまでの男性がターゲットだと思われます。

  都内の一等地にある高級住宅街に迷いこめば、確かにCクラスに乗る人のほとんどは女性ですが、日本のほとんどの地域で見られるのが、このクルマを転がすのはいい年したオッサン。偏見はいけませんが、とりあえず・・・な人と思っておいて間違いないでしょう。わざとピンクのダイハツ・ミラのような、女性的なクルマを好んで選んで乗る目立ちたがりのオッサンが最近では増えていたりしますが、しかし今の所はCクラスに乗っているオッサンにはそういう発想はあまり無さそうです。しかしメルセデスはいよいよCクラスを「女性の為のクルマ」と認識して、その方向性に沿って「誠実」に進化させることを決断したようです。「Cクラス=女性専用車」という見方をするならば、今回のFMCには着実な前進と思われる点が随所に見られます。

  女性が使うという前提でクルマを作るとなると、その幅広さは男性向け自動車の比ではなく、パワーユニットはあらゆる形態が考えられます。某雑誌でF30BMW3シリーズのユーザーレビュー特集がありましたが、面白いことにガソリンモデルは全て女性ユーザーでディーゼルモデルは全て男性でした。女性の方がクルマへの依存度(使用頻度?)が低いせいか、燃費への要求も男性ほどシビアではないようです。機能性よりもファッション性を貫くことばかりに意識が囚われているアパレルの高級ブランドのように、それに限りなく近いポジションで消化されるようになったのが、BMW、アウディ、レクサスそしてメルセデスの廉価グレード車種の現実だと言えます。

  ちょっと前までは「女性向けのライトなクルマ」として括って片付けていた部分があったのですが、OECD諸国における女性の社会進出は目覚ましいようで、いまでは主だったプレミアムブランドの中心軸は完全に女性向けのモデルになったようです。そんな時代の大転換を象徴する「瞬間」が今回のCクラスのFMCではないかと密かに思っています。そう思わざるを得ない点は多々あるのですが、例えばやや固いイメージがあったCクラスのエクステリアはエッジを切り取り丸みを帯びたものになりました。その手法は商用車然としたボディタイプを斬新にカッティングしたトヨタパッソや日産マーチに通じるキュートさに包まれていて、いかにも女性に対して大きく門戸を開いた印象があります。

  また最近のアウトレット専用商品を用意するブランドバッグのブランドの商品のように、質感ではなく「マーク」で付加価値を与えるという、「経営効率最優先」のブランドの背信的姿勢をほぼ全てのクルマから感じてしまいます。クルマの走行性能よりも「どう見えるか?」「オシャレか?」に力点が置かれています。もっとも女性にクルマの性能にこだわれという方が無理があります。例え女性といえどもスバルやホンダの機能性が極めて高いと理解できる人はたくさんいるでしょうが、400万円をアコードやレヴォーグに使おうという人はかなり少数派だと思われます。いくら質感がよくてもデザインが古めかしとアパレルもバッグも使われることはまずありません。

  最近では、女性的な感性でクルマを選ぶ女の腐ったようなオッサンが増えているようで、何の躊躇いもなく「カッコいいから」とAクラスを選ぶ男性も多いとか・・・。大変失礼ですが、大手サイトのユーザーレビューを読んでるとAクラスのところだけ「アホ度」が異常に高い!「遅くて燃費も悪いけど国産よりマシ!」(いやマシじゃないですけど・・・)やら「文句を言いたいならメルセデスユーザーになってから言え!」(いやあなたは乗りもしないブランドを国産と一括りにしましたよね)・・・いやはやツッコミどころが多過ぎて手に負えないです。たしかに自分が乗るクルマを買うために、メルセデスディーラーに行って「Aクラス下さい!」と言う勇気は私にはないです。

  けど私のクソみたいな羞恥心とは全く違う方向へと、世界の自動車産業は動き出してしまっているようです。女性に響かないポイントを次々と切り捨てていけば、6気筒や8気筒のエンジンなんて全く要らないですし、BMW Z4もメルセデスSLKもフェアレディZも全て1.5Lの3気筒ターボにさりげなく載せ変えてしまっても、女性ならなんの臆面もなく買えるでしょう。そしてクルマの知識など皆無に等しい女性化したオッサン達も平気な顔して買うでしょう。V6とかV8に拘るヤツは頭が古い!とか能弁垂れるのは自由ですが、そんなことは誰だって解りきった上でそれでもV8がほしくて買っているのですが・・・。

  さて後発されるであろうAMGモデル以外は全てが4気筒ターボになった日本仕様の新型Cクラスですが、このクルマが一体誰のためのプロダクトかはもう明らかだと思います。とうとう本質的に女性ユーザーしか収まらないクルマになってしまいました。レクサスCTやアルファロメオ・ジュリエッタと同じカテゴリーへと伝統のCクラスが放り込まれたわけです。いや・・・レクサスCTがこれほどカーメディアの逆風を受けつつも力強く前進し主要市場で軒並み確固たる地位を占めているという事実。そしてその根底にあるトヨタの揺るぎないマーケティング能力が、名門ブランドのメルセデスをも呑み込んでしまったと言っていいかもしれません。

  
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