2014年2月28日金曜日

VWゴルフR 「ベストゴルフはどれだ?」「・・・」

  VWゴルフの多彩なグレードを紹介する企画はクルマ雑誌の王道コンテンツの1つ。この1年だけでも何度お目にかかったことか。内容も覚えていないくらいの薄ら寒い記事ばかり、つまり歯の浮くようなステレオタイプな褒め言葉を散りばめてくる。タイトルで「ベストゴルフを探せ」を書いているが、そもそもVWはこの「ゴルフR」を最高グレードとして仕立てているのに、日本人ライターがそれを無視して「GTIがベスト」みたいなこと言ってていいのか・・・。

  70歳くらいの大御所ライターは、なぜかVWとゴルフをこよなく愛する人が多い。代表的な人が徳大寺有恒さんと岡崎宏司さんだ。僭越ながらこのお二人の著作を紐解くと、1950年代後半にビートルに出会い、それぞれゴルフⅠとゴルフⅡGTIに人生最大の感銘を得たとハッキリ書いてある。1950年代の国産車は乗っているだけで気分が悪くなるほどで、ビートルなどの輸入車が飛び抜けた乗り心地を誇っていたらしい。少年の頃にビートルこそが至高という環境で育ち、70年代の活力みなぎる30代にゴルフに感銘を受ければ、お二方にとってはVWは別格の存在になるだろう。近所の70歳くらいの高齢者ドライバーは相当な割合でゴルフを選んでいるがこれはとても納得できる話だ。親戚の大叔母さんもVWに乗ってみたいと言っている。

  ちょっと話がそれましたが、大御所ライターが挙って大のVW好きなのだから、その弟子にあたるライター達もVWに対して迂闊なことは書けないのでは・・・というのが私の推測です。自動車ライターは徒弟制度が今もあるようで、有名ライターとのコネクションがあって初めて仕事が舞い込み、日本COTYの審査員に選ばれたりする。最年少の島下泰久さんは徳大寺さんの弟子で名シリーズ「間違いだらけのクルマ選び」の主筆を引き継いでいる。岡崎宏司さんは「Car and driver」の中心的ライターのようで、この雑誌に寄稿するライターの人事権をある程度握っているのではないかというくらい、岡崎コーナーの扱いは別格だ。・・・おそらくこれが世の中の「メディアが過度にゴルフを絶賛する」現象の正体では?

  さて話をゴルフRに戻すと、大抵はどのゴルフのグレード特集でもゴルフRについて詳述することはなく、中には完全に存在を無視しているものもある。せいぜい隅っこの方にこういうグレードもありますよと小さな写真(見た目は変わらないのに)とともに紹介されているだけです。なんでこれだけ尖ったモデルを無視するの? 性能だけみたらゴルフRが一番なのはわかるけど、コレがベストと言ってしまうと完全にシラケるからでしょうか。本体価格だけで500万円以上する「ゴルフ」を買う人なんて変わり者で、それだけお金出すならメルセデスCなど別の輸入車を選ぶという人が大半なのだと思います。

  それでもゴルフRとほぼ同等の性能のアウディTT-Sが700万円ですから、ゴルフRがお買い得と考えても良さそうな気もします。それと同時に515万円のシロッコRの方がいいなとなり、ゴルフRはものの見事に「消える」んですね・・・。出力的にはヒルクライムコースなどで最高に気持ち良いホットハッチのイメージがありますが、2L直4から搾り出しての300psなので、日本のタイトな山岳路ではおそらくイマイチでしょう。ゴルフGTI以上のパワーを使うだけの足回りとAWDの旋回技術を考えたとき、日本のスバルや三菱に遠く及ばないレベルだと考えると500万円は高価すぎます。

  新型ゴルフRは欧州では先代と比べて大幅に値下げが行われたようです。しかし日本価格はというとなぜか5万円の値上げ。これは納得できないですね。高齢者によるゴルフフィーバーが日本で終わるまでは、強気な価格が続きそうな予感がします。VWはゴルフのEVとPHVを作って早ければ今年中にも発売するようで、日本の高齢者が元気な内に日本メーカーのお家芸と見られていたパワートレインでシェアを奪うなんて青写真も見え隠れします。



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2014年2月24日月曜日

ルノー・キャプチャー 「人間工学とデザインの結晶」

  2代目日産ノートが発売されて早くも1年半が経過しました。このクルマはアクアに対して大きな脅威にはなれなかったようですが、ヴィッツや同ブランドのマーチ、そして同時期に発売された三菱ミラージュを完全に押さえ込んで、予想外の健闘を果たしたと思います。去年フィットが発売してからやや押され気味になっていますが、同クラスでは高価な価格設定にも関わらず良く売れたと思います。

  国内生産でも採算が取れる水準まで付加価値を与えた設計が全て良い方向に転がりました。4100mmまで伸ばした全長はゴルフに近い水準なのですが、コンパクトカーといえどもある程度の距離を乗るならば、これくらいのスペースが欲しいなというサイズです。若い頃、トヨタのカローラランクスに乗っていましたが、そのクルマがちょうどこの長さでした。当時は5時間ぶっ続けで走ったりも良くしていましたが、居住性もなんとか耐えられるレベルでした。1泊2日でドライブ旅行に出掛けて総行程700~800kmも走ると、帰宅した翌日はさすがにクルマに乗りたくないとは思いましたが・・・。
 
  チョイ乗りするだけのクルマならば軽自動車で十分。ヴィッツ、アクア、デミオ、フィット、マーチだと長距離はちょっと荷が重い。動力性能なら特に問題ないけど居住性が必要最小限という設計が辛いです。「せめてゴルフのサイズになれば・・・」という計算がノートの基本設計にはあったはずです。マーチ(マイクラ)に150mmのゆとりを付けるというアイディアと、日産がエコ過給を真剣に考えて作った新開発エンジンがクルマに詳しい層にも相当に刺さったようです。ノート用1.2L+SC(直3)はへそ曲がりの理論家で知られる某ジャーナリストが最強のエコユニットだとお墨付きを与えていたのでまあ間違いないのでしょう。

  ちょっとややこしいのですが、日産ルノーグループが欧州で展開する1.2ターボは直4でノートのものとは違います。日本では過剰気味な燃費競争に参入するために1.2L+SC。1.2Lターボではとても勝負になりません。ただし欧州の高速巡航においては1.2Lターボが合っていて、欧州で1.2Lを展開するVWとプジョーの直4ターボよりもボア径が広くもっとも高出力です。日本に上陸していないオペルには日産よりもショートストロークの1.2Lが存在しますが、ターボ加給ユニットが設定されておらず、現状では総合的に見て日産のエンジンが頭2つ分は抜け出しているのがわかります。

  ノートの兄弟車ルノー・ルーテシアとそのクロスオーバー仕様のキャプチャーはこの欧州仕様の1.2Lターボが搭載されています。去年9月の発売以来ルノーの日本での売上を押し上げているルーテシアは、ポロのベースグレードに比べて一回り大きく、エンジンも高出力で、デザインも優れていて、価格も安い!ということで輸入車Bセグの中ではベストの存在と言ってもいいでしょう。しかし残念ながら知名度不足からルーテシア300台/月とポロ600台/月に甘んじている(ちなみにポロの方がやや好燃費らしい・・・)。

  そんなルーテシアを援護射撃すべく投入されたのがこのキャプチャーです。一目見て共通車台と分かるルーテシア譲りのとても良いデザインです。本国フランスでは大ウケで、奇しくも同じグループのジュークを追い抜かして欧州で拡大する小型SUVの最量販車になりました。日本市場でも小型SUVのモデルが増え、現在はホンダ・ヴェゼルの登場で大きく勢力図塗り変わってきています。

  ヴェゼルのストロングポイントは誰もがホンダに多くは期待しなかったであろう「好デザイン」で、直接のライバルとなるジュークやらXVやらクロスポロやらの存在が霞んでしまうほどです。しばらくは一人勝ちするであろう勢いのヴェゼルにデザイン面で対抗できるのは、今のところはこのキャプチャーだけです。国産車と輸入車は従来では価格差からあまり比較対象にならなかったのですが、ルノーは戦略的な価格を設定したこともあり、ヴェゼルハイブリッドとキャプチャーがほぼ同じ価格帯になります。これならばキャプチャーという選択もあるでしょう。

  ヴェゼルとキャプチャーは内外装デザインにおいて、非常に高いレベルで争っています。フランスメーカー車はインテリアデザインではドイツ車を黙らせるほどに定評があるのですが、ヴェゼルはフランス車・イタリア車流通圏でのグローバル展開を考えているようでまったくひけをとっていません。ハッキリと優劣を決めるなら、キャプチャーのコンセプトの方が一枚上手な感もありますが、好みの問題でしょうか。


  日本の小型SUVというと従来は安上がりの内装が定番でしたが、ここにきて大きく流行が変わってきています。その流れが急過ぎてあのトヨタが追従できないほど・・・。いまさら晒しモノにするのもどうかと思いますが、トヨタにも一応ラッシュという小型SUVがあります。内外装を見ると、果たしてヴェゼルと同じ市場で販売してよいものか?と思うくらいにタイムスリップ感が・・・。まあこちらは国や自治体の林道保安車両として大活躍しているので、もちろん存在意義はあるのですけど。国交省の外郭にあたる独立行政法人の御用達?(だからFMCなんてしません)。


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2014年2月20日木曜日

スカイラインHV 「日産の飛躍・・・このクルマで主導権を!」

  日産が上級グレードに搭載しているVQ37DE。一般的な仕様ではNA3.7Lで333psを絞り出す世界最強のV6NAエンジンで、日産はこれを車重1500kgのフェアレディから3000kgの救急車に至るまで採用している(救急車の燃費が気になる)。スカイライン、フーガ、シーマ、三菱にOEMしている分、エルグランドでの需要をかき集めても日本ではまったく採算が取れるレベルのエンジンではないのだが、このエンジンこそが北米で日本車技術の象徴として讃えられているのだとか・・・ちょっと皮肉だ。

  日産はいよいよ日本国内でもV37スカイライン(インフィニティQ50)の発売を始めたが、それに先立ち作られたCMの謳い文句がスゴい。
「なぜ?ありきたりなプレミアムカーを選ぶのか?みんなが乗るから。定番だから。そんなプレミアムはもうたくさんだ。日産が世界で培ってきた圧倒的技術力が、今解き放たれる。」
商品の宣伝の基本は「ストーリー性」であり「共感力」なわけですが、いや〜素晴らしいキャッチコピーですな。自動車産業に対して感じているある種の不信感を当事者として堂々と認めた上で、このクルマはスゴいんだ!と訴えかけるメッセージに思わず惹き込まれてしまう。

  余計なお世話かもしれないが、このCMを見ていて気になることがある。世界の自動車技術は日進月歩で、最近では自動ブレーキや追従クルーズコントロールが当たり前になり、まもなく自動運転も可能になるようだが、このCMで日産が訴えている「技術力」とはそういうものではない。このことが一般の視聴者に正確に伝わっているかが気になって仕方がない。自動運転はともかく自動ブレーキはまもなく全てのメーカーの全ての車種で採用されるであろうタイプの技術だ。瞬く間に広まったATやABSといった技術と同じといってもいい。

  このCMで日産が主張する「技術力」は、他のメーカーにも広まりスタンダードになることが想像しにくいものだ。他の多くのメーカーが採用を前提に真剣に研究しないような技術をことごとく実用化し、一度に複数詰め込んで新型車を作ってしまったわけだ。これは自動車産業においては近年まれな歴史的事件だ。繰り返しになるが、今回スカイラインに盛り込まれた新技術のほとんどが、すぐに他社が真似できるレベルのものではなく、おそらく追従しようとするメーカーは皆無だと思われる。

  日産がこのクルマでブレイクスルーを目指そうとする意思はとてもよく分かるし、成功する保証もない中でこれだけのクルマを発売し、世に問うという姿勢は贔屓目なしにポルシェやマクラーレンといった世界最高レベルのスペシャリティカーブランドくらい価値がある事だと思う。しかもこれだけのクルマが450万円で買える。この価格は絶対に失敗できないという開発陣の薄氷を踏む想いの現れだろうが・・・。

  トヨタがのほほんと作っているレクサスLS600hという1000万円を軽く超える超高級車があるが、この新型スカイラインの基本スペックはベースグレードでもLS600hの水準に近い。400ps近い最大出力と世界最高レベルの高剛性ボディ。LS600hを初め世界の高級セダンの主流になったAWD。それによる燃費悪化を十分に補うHV。燃費こそ10km/Lをいくらか超える程度かもしれないが、実用域でこれだけあれば十分。従来の3.7Lスカイラインの6~7km/Lと比較すれば10万キロ走行時点でなんと100万円の燃費削減につながる。先代の3.7Lと比べて50万円の価格差があるが、たとえ電池交換(15万円くらいらしい)があったとしても10万キロ使い倒せば確実に元が取れる。

  それでもこのクルマのスゴさと実用性の高さをしっかりアピールできなければ、450万円という決して安くはない金額なので思いのほか売れないかもしれない。しかもこのクルマには先端技術を使い過ぎたことで、従来の高級車とはまた違った乗り味になっているので、よっぽど保守的な人はBMW320dを選ぶという可能性も否定できないのだ。なんといっても他社が真似しない技術が満載のスカイラインである。

  レクサスやホンダの高級車に使われるようになった4輪操舵(4WS)も、ハンドリング性能の向上がそのままドライビングフィールの向上につながらなかったという苦い過去をスカイラインは持っている。それでも車重があるクルマに限界を超えた旋回性能を与えるために今回も採用されている。さらにHVによるさらなる重量増加によるハンドリングの鈍りを補うために、標準装備でステアバイワイアという全く新しい技術を取り入れてきた。どうやらこれもまた「官能性」とは違う方向に響く可能性が高い難物らしい。

  4WSとステアバイワイアに対して好意的な人にとっては、このクルマは理想的だろう。そして450万円に抑えた価格設定にもGT-R開発で日産が培った「コスト管理」というすばらしい技術の賜物なのだろう。10年前に発売されたVQ35DEエンジンの改良型VQ37DEエンジンは日本市場との相性の悪さで、このまま北米専用エンジンになってしまうかと思われた。

  しかしGT-R用のVH38DEとともに、現在の日産を象徴するこのエンジンをぜひ日本でも載せたいという「エゴ」から全てが始まり、日産の持てる力を全て投入してこのエンジンの活路を切り開いた恰好だ。これが新型エンジンを開発して積むとなるととても450万円では収まらなかったであろうし、もし新型エンジンで650万円くらいで発売して全く売れなかったら・・・その時は日産の高級車開発の息の根が止まってしまっただろう。いやはやこのアイディア満載の素晴らしいクルマが成功することを心から祈っている。

2014年2月17日月曜日

スバル・レヴォーグ 「上から目線メーカーの放胆な1台きた」

  初めに断っておきますが、スバルの関係者に個人的な恨みなどは一切ありません。スバルには今後もさらなるグローバルでの活躍を期待したいですし、北米の7強(米3日3韓1)を追い越すくらいの「歴史的快挙」をぶちあげてほしいです。「ボクサーがビッグ3をノックアウト」なんて感じで・・・。何と言ってもコンパクトカーやHVをバラまいて掴み取った全米8位じゃないですから価値があります。シェールガス革命の進む先で輝いていたのがまさかの「プレアデス星団」だったわけです。

  日本でももちろん売れています。スバルの中型車が次の世代のクルマとして受け入れられたのには理由があります。それはスバルが日本で一番難しい「クルマ言語」を話す連中に、熱狂的に支持されているからでしょう。彼らが駆使する言語は非常に難解で他のメーカーのユーザーにはまず理解できません。例えばスバルがトヨタに委任されて完成させた86/BRZというFRのスポーツカーがありますが、このクルマになぜターボを用意しないのか?という誰もが知りたい理由にプロのジャーナリストで答えている人をほとんど知りませんが、知り合いのスバル言語の使い手はさらっと教えてくれました。

  あんまり難しかったのでよくわからなかったのですが、なぜレガシィが1505mmも車高があって高いのか?という謎と同じ理由でした。ボクサーターボで十分に出力を発揮するには下方排気の為に車高を確保しないといけないそうなので、レガシィは車高が他のセダンより高く、BRZは車高が低いからターボ化できないと言っていました。厳密に言うとターボ化できるけど、本来のコンセプトは大きく崩れ専用設計シャシーの価値がなくなるのだとか。

  DITエンジン(ボクサーターボの総称)そのものに構造的欠陥が?という声はとりあえず置いておいて、そこまで緻密に考えてクルマは作るものという姿勢が、スバルに関しては生産する全ラインナップに貫かれています。そしてそれこそがスバリストが他のメーカーを下に見る根拠なんだとか。もちろん日本には日産というもう一つの独自のドグマでクルマを作り続ける「変態メーカー」があります。しかしこちらは世界の5大メーカーの1つですから、全ラインナップで「スバルごっご」をやるわけにはいきません。上級モデルの一部の車種限定ではありますが、作っている人々はとんでもないエゴを剥き出しにしています。「さあ、日本のプレミアムを騒がせようか」はダテじゃないです。

  話をレヴォーグに戻すと、日産がV37スカイラインに感じている手応えを、スバルはこのレヴォーグに感じているのです。現段階で量産車にここまでこだわりを見せるのは日産とスバルだけなんだという自負です。しかもどちらもライバル車よりも断然にお買い得と言える価格設定です。これで売れなかったら日本市場のユーザーはバカしかいなくて絶望的だから、全生産を北米と中国に移管します!という最後通牒にも聞こえます・・・。

  レヴォーグは2種類のエンジンでともにターボ。1つは欧州タイプの小排気量ターボで、価格帯は1クラス下の欧州CセグHBと同じ266万円〜。欧州の1.6Tとスバルの1.6Tを比べたら絶対に負けないレベルなんだとか・・・。某スバルの有名D店長のブログにレヴォーグへの自信が綴られていました。わざわざ首都高で捕捉したBMW116Mスポの写真をアップし「もはやクルマじゃ負けてない」と怪気炎を挙げています。まあそうなんでしょうけど・・・。

  もう1つのの2.0Tの方は、CVTのみながらスバル版のMスポ仕様。現行レガシィに「Bスポ」というのが設定されていますが、あれはNA車のみのものなのでレヴォーグには設定されないらしいです。けど2.0Tのレヴォーグにはボタン一つで出力やCVTの設定を変えるシステムが付いていて、WRX STI-Alineのように「スポーツ#」みたいなやや過激な設定ができる装置が全車標準で付いてくるらしいです。BMWが1シリーズで40万円で設定しているMスポと同等のものが、全車標準になっています。ただし1.6Tには付けられないようです。それは「用途」が完全に違うからなのでしょう。

  さてここまで書いて来ておわかりかもしれないですが、このレヴォーグには日頃から輸入車ブランドにムカついているクルマ好きの気分を晴らしてくれる仕掛けが満載です。このレヴォーグを基準にすれば、いかに欧州の廉価モデルがユーザーを顧みないで雑に作られているかがよく分かるように、スバルが「意地悪く」設計しています。スバルはこのレヴォーグを通して、輸入車がなぜダメなのかを分かりやすく教えようとしているわけです。まあなんとも上から目線なクルマなのだ・・・と思いますね。


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2014年2月13日木曜日

BMW4グランクーペ 「このブランドに不可能はないようだ・・・」

  1年近く前からその登場が予想されていた「4シリーズグランクーペ」。とうとうデビューしてしまいました。それにしてもBMWはブレないですね。トップグレード(7シリーズ)はセダンのみでOKだけど、下位グレードはとりあえず徹底的に数を揃えて感性にあったボディタイプのものに乗ってもらうという戦略は、他のメーカーにはなかなか出来そうで出来ないです。セダン、ワゴン、クーペ、クロスオーバー、SUVそして4ドアクーペですか・・・。

  4ドアクーペはハッチバックタイプになっていて、一番近いボディ形状はクロスオーバー(3シリーズGT)なんですね。先代のマツダアテンザに設定されていた「5ドアスポーツハッチバック」と大きく括れば同じです。このスタイルが「若者向け」というのは安易でしょうが、こういう個性的なボディ形状を今回のアテンザのFMCで選択肢から外したマツダはやはりそれなりに断罪されるべきという気がします。マツダの台所事情が限界に近いのは判りますが、BMWもグローバルの販売台数はマツダとほぼ同数なわけで、高収益体質と言われていますが、折からの欧州不況&クルマ離れが直撃しているのもマツダと一緒・・・。どっちかユーザーのことを真剣に考えたメーカーと言えるのか?

  BMWより性能のいいDエンジン!は見事でしたけども、マツダにももっと選ぶ楽しさで魅せてほしいですね。もちろん地に足がついた経営も大切でしょうけど・・・。もちろんやたらと新しいボディタイプを律儀に増やすBMWもちょっと心配ですね。BMWの破綻とかアジア資本へ売却とかあまり見たくないです。BMWが大きな失速を免れているのは、東アジア市場がとてもこのブランドに好意的だという分析もあるので、現実にこの地域からのM&A案件も水面下では激しく起こっていそうです。

  この4シリーズは2ドアも4ドアも総じて「普通のクルマ」という印象が強いです。以前に他のブログで「320iは最大トルクがせいぜい25kg・mなので普通のクルマ」と書いたら、訳のわからない批判コメントを頂いたことがありました。500万円出すならV8のマスタングみたいな「普通じゃないクルマ」が買えるのにという主旨で記事を書いたのですが、文章力が無さ過ぎたせいか、「BMWはいいクルマです!トルクや馬力だけで判断してはいけません」って・・・。別に「悪いクルマ」とは一切書いてなかったんですが・・・。

  3シリーズ(F30)ってそんなに強調するほどの個性があるか?といえばすぐには思いつかないです。これってこのクラスのクルマでは「致命傷」といってもいいくらいです。心を熱く燃やすようなとても気に入るポイントがないクルマに500万円出すなんて貧乏人の私には理解できません。やや語弊があるかもしれませんがBMWを輸入車の代名詞として過ごして30年の日本人の感覚からすると、現行モデルは3も4もやや小粒な感じがどうしても払拭できないわけです。

  3シリーズセダンを喜んで買った人を否定するつもりは全くありませんが、セダンの全ラインナップを見渡して、やや高価過ぎる「アクティブHV」を含めても「1mm」も前のめりにさせてくれるポイントが見当たらなかったです。クルマ全体として高いレベルにあるのは確かなんでしょうが・・・。なによりBMWの日本車化がもの凄い勢いで進行しているのも魅力が落ちている理由です。日本車から乗り換えて違和感がないように柔らかいサスを使っていて、コーナーでのフラット感が薄いのが一番の欠点でしょうか。

  4シリーズは全体に車高が下げられていて、ロール幅が制限されるので、自然と3シリーズよりフラットな乗り心地になるのですが、このグランクーペは3シリーズGTと同じホイールベースのものを使うようで、2ドアの4シリーズのようなコーナーワークは期待できないだろうと予想されます。3シリーズGTのクーペ版という3シリーズセダンからは一番遠く離れた設計、しかも後発なのでなにか仕掛けがある可能性もあります。いろいろ仕様を変えることができるでしょうから・・・。

  最近のBMWの走りに回帰しようとする姿勢からの希望的憶測ではありますが、2シリーズやM3/M4は3シリーズと真逆の方針を採っていますし、ライバルのメルセデスがガチンコになるCクラスのFMCを控えていることからも、ただの「でくの坊」では終わらないのではないかもしれません。しかしその一方で、このクルマが中国市場をメインに開発されたもので、将来的に中国の生産ラインにノックダウンを予定しているのなら、BMWの渾身の最新技術は載らないのではないかという見方もできます。いや〜憶測ですみません。早く実車を見てみたい気がします。


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2014年2月6日木曜日

アウディA3セダン 「1990年代!質実剛健アウディの復活?」

  仕事が休みだったので、群馬の雪道を目一杯堪能したあと、東京に帰ってきました。雪道でスリップしないようなアクセルの踏み方を一日中していたせいで、東京の幹線道路の忙しないスタートダッシュがやたらと危険に感じてしまいます。気温が低いのでホイールハウスの中では氷塊がまだ融けず、いつ氷片が落ちてくるかと心配していると、隣りのクルマと加速対決なんて気分にもなれません。

  そういう日に限って、やたらと好戦的なクルマが現れ、気がつけば「日産シルフィ」と「ホンダインテグラ」の新旧Cセグ3BOXがゼロ発進バトルを繰り広げ、「プリウス」が後ろから追従するというシブいカーチェイスに巻き込まれてしまいました。タイプRでないインテグラは車高があり、サイズはシルフィとほぼ同じに見えます。両者ともなかなか鋭い出足を繰り出していて、おそらく仕事帰りなんでしょうけど運転でストレス解消?もしくはゲーム感覚?なんでしょうか。

  Cセグセダンというジャンルは1997年のプリウスの登場以降、日本ではとても売りにくいクルマになっているようで、各社とも開発に力が入っておらず全体的に地味な存在になっています。しかし街で元気に走っているクルマの多くがこのサイズであることもまた事実で、クルマや運転の好きな人の間ではこのクラスに「納得」の一台を!という声が多いように思います。今でもシビックセダンを楽しそうに乗っている人を見かけますし、ハッチバックではなくぜひ「セダン」でという主張も強く感じます。

  機動性(軽快さ・燃費)や操縦性(取り回しの良さ)に加えてハッチバックには希薄な「シブさ」(重厚感・フォーマル)が、Cセグセダンが好きな人にとっても主な評価のポイントだと思います。ハッチバックや大きなセダンと違って下品な改造のベース車にされる心配もほぼなく、それほどたくさん売れないので安心して10年くらいは楽勝で乗れてしまうのが最大の魅力でしょうか。このクラスのデザインは各メーカーもそれなりに頑張っていて、先述のインテグラもまだまだ十分に通用するデザインです。

  それでも日本メーカーの各モデルはまだまだこのクラス持つポテンシャルを生かし切れていないのではないか?と思うところも多々あります。開発者やオーナーに多少は失礼もあるかもしれませんが、スバル・インプレッサG4は「デザインが軽い」、日産シルフィは「ドラムブレーキ&トーションビーム」、マツダアクセラ「ディーゼル&2Lガソリンなし」、トヨタプレミオ「ドライブフィールが希薄」などなど・・・。マツダはともかく他の3社はまだまだ本気にはほど遠いか。

  アウディが日本でも発売を開始したA3セダン。どうも日本のCセグセダン勢よりもはるかにツボを心得た「シブさ」を発揮しているようです。アウディのセダンはもともと日本人の感性に響く湿っぽさを持っていたわけですが、日本ジャストサイズと形容されるこのA3セダンにはA4やA6とはひと味違う輝きがあります。2000年頃から日本に持ち込まれる輸入車は「個性=日本車の否定」を前面に打ち出したモデルが好まれるようになりました。本来は大衆車として魅力を発揮していたBMW3が、なぜか高級車としてちやほやされるようになり、オーナーもその気になって乗るようになりクルマの魅力は失われました。「シブかった」BMW3が一気に「チャラく」なったわけです。

  アウディA4やA6もまた同じような路線を辿りました。90年代には武骨なアウディだったはずが、気がつけば立派に見せるために水増ししたボディが痛々しいだけの「チャラい」クルマに成り果てました。ブランドの最盛期はスタイリッシュで近未来的な存在だったことも否定はしませんが、ガソリンエンジン車そのものがもはや「近未来的存在」でなくなった今では、ブランドにリアリティがないのです。ちょうど子供向けアニメの中に登場する「かっこいいクルマ」の絵を、そのまま実物化したくらいのバカっぽさすら感じてしまいます。

  しかしこのA3セダンは、見事にアウディが日本で陥っていた「リアリティ亡きブランド」の姿を大きく転換するほどに革新的な存在だと思うのです。まだアウディ自体が日本で広く認知される前、約20年くらい前のブランドイメージを見事に復活させています。まだアウディが今のアルファロメオのような硬派なイメージを発信していた時代のクルマが蘇ったかのような興奮を覚えます。アルファ156という大ヒットしたセダンがかつてありましたが、このA3セダンにはどことなく似た存在感があります。

  一足早くマツダがアクセラセダンを発売しましたが、果たしてマツダにアルファ156の「残像」を引き継ぐクルマを作る!という意識があったのか? おそらくそこまでは考えていなかったのではないかという気がします。プリメーラやアルテッツァに今も大事に乗っている人々にとって、アクセラセダンはどれほど期待に応えたものだったのでしょうか? そしてアウディA3セダンは日本でもカルト的人気を博したアルファ156を引き継ぐ存在となっているのでしょうか? 「シブさ」という評価基準ではアクセラよりもアウディA3セダンの方がより大人の魅力をまとった良いクルマかなという気がします。

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